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昨年、2019年の6月に米国ホスピタル・ベイスド・マッサージセラピーの公認講師であり、オンコロジー(がん・腫瘍学)マッサージセラピーのの公認講師でもある、キャロリン・ターグ先生を、サンフランシスコからお招きして、4日間の「オンコロジータッチセラピー集中講座」を東京の北参道で開講しました。その時の記録を、Facebookには残していたのですが、ブログのほうでも書き残したいと思います。あらためて、とても重要なことを学べた4日間であったと痛感します。キャロリン先生、そして、ご参加の皆様、実習にご協力くださった皆様、心より御礼申し上げます。 NPO法人タッチケア支援センター 代表理事 中川れい子 2020年6月14日から17日 オンコロジー・タッチセラピー集中講座 ~がんを生きる人々に寄り添うタッチセラピー~ 会場:東京、北参道 SO-SPACE 講師:キャロリン・ターグ 通訳:広瀬由美子 主宰:NPO法人タッチケア支援センター http://touchcaresupport.com/hospitalbasedtouchjapan.html 【オンコロジータッチセラピー集中講座4days@東京 1日目】 渋谷区の北参道のSO-SPACEさんをお借りして、今日からはじまりました。 昨晩日本に来日したキャロリン先生のもと、関東だけではなく、関西・東北・九州・東海から、参加者の方が集合。集まられた皆様は何かしら、ご家族やお友達、お仕事で、あるいはご自身も含めて「がん」とかかわった体験をおもちです。そして、キャロリン先生が参加者の皆様に語り掛ける最初の言葉は、 「お互いに、一緒にいることの在り方を探求することが、がん患者さんにかかわることの学びのはじまりです」 互いの自己紹介のあと、いつもキャロリン先生がクラスで最初におこなう儀式(リチュアル)。それは、この講座に参加する「意図」を明確にすること。あるいは、がんを体験している家族や友人、亡くなられた方への思いを、言葉や絵にしてみること。日本の短冊のような長く白い紙に、それを記していきます。そして、その紙を、今回は周囲の壁に貼りました。まるで、七夕の短冊のよう。 このワークは、学びと探求の「意図」をより明確にしていくことと同時に、その「思い」を自分自身から少し離したところから、見つめていくワークでもあります。「かかわり」についての探求が、始まっていきました。 この儀式のあと、今日の講義は、がんとは? がんの増殖のプロセス、がんの種類、一般的な治療(手術・抗がん剤・放射線の三大治療)と、その副作用、がんを生きる人々に、タッチケア(タッチセラピー)がどのように適用されていくのか?禁忌は? 等を学びます。それは、1つの細胞の構造、細胞核・ミトコンドリア・リゾソーム・サイトスケルトン(細胞骨格)と、ミクロの世界を旅しながら、そこから、増殖のプロセスを。そして、遺伝・環境・免疫・・・幹細胞についての新しい研究等、様々な視点から様々な現代の新しい情報をもとに、探求されていきました。。 まずは、がんとは何か、座学でしっかり学びます。 私は、このお話を聴くのは、3度目ですが、今年からサンフランシスコのUCSFの統合医療学科でホスピタル・ベイスド・マッサージの教鞭もとられるようになられたキャロリン先生のお話は、さらに深みが増していました。 かつて死の宣告と言われたステージ4も、現代では、うまく管理をすれば「慢性的な病」として関わることができる。。。と、同時に、長期にわたって「がんと共に生きる」ことの困難さ、痛みをサポートすることの重要性も増します。病理的にはそれほど問題がないとされても、心理的なエマージェンシーに対するケアが大切とされること。 ひとつひとつの知識、体験、情報は、、、時にがんのもたらす「痛み」「困難さ」を私達にもたらすこともありました。こうした「知識」は、理解・想像力・思いやり・寄り添いのための足掛かりとなっていくので、ひとつひとつの理解の積み重ねが大切。 もっと記録したいのですが、今日はこれぐらいで。 ほんの少しだけ、キャロリン先生の本日の語録です。 * オンコロジータッチセラピーは がんを体験する人々に対して ここちよさと、安心感を促進するもので ワークは、治療を目的とするものではなく 治療のプロセスを通して その人全体と、共にいようとすることです。 ただ、それだけのことでも 副交感神経を促し、がんに伴う 炎症を鎮め、結果的に治癒を促すことがあります。 まるで、詩のような 何もないぐらいの、やさしいタッチを 効果的なものとして、もたらすことができるのです。 がんについて、そして、 その方のお身体の状態を理解することで、 受け手の方は安心感をます。 だから、私達はがんについて学ぶことが 大切なのです。 治す必要も、診断する必要もなく ただ、寄り添い、思いやり、気づくこと。 そのことは、患者さんにだけではなく その方にかかわる人々全体に ヒーリングと、変化をもたらすのです。 たとえ最悪のときでも、それでも人間の身体は 気持ちがいいと、感じることができるのですから。 副教材である米国オンコロジー・マッサージセラピーのパイオニアの一人、 ゲイル・マクドナルド先生著書の「Medicine Hands 」と、 その他の米国のホスピタル・ベイスドマッサージセラピー関連著書。 【オンコロジータッチセラピー集中講座 2日目】 お昼休みには、素敵なゲストの訪問が! タッチ研究で有名な山口創先生(桜美林大学教授)が、クラスに訪れてくださり、キャロリン先生の施術デモも見学していただけました!キャロリン先生と、山口先生がつながったことで、日本の医療環境下でのタッチセラピーの可能性がいっきに広がった思いです。東京で開催した甲斐がありました!(なぜか、壁に映ったライトの光が、ハート型に浮かびあがっております^^) 2日目のサプライズ訪問、山口創先生(桜美林大学教授)とご一緒に。 真ん中が、キャロリン先生。右側は中川れい子(タッチケア支援センター代表) 午前中も座学から始まりました。オンコロジータッチセラピーの“骨格”である、施術における注意事項と「調整」について学びます。受け手の方のおからだにあわせて、セラピストが「調整」するべきいくつかのフレームワーク。触れてはいけない部位*体位*圧*スピード*施術の時間*そして、施術の回数等・・・。安全・安心に施術を届けるために、おさえておくべき大切なポイントです。私は、オーガナイザーの役得で、この部分を聴くのは3回目なのですが、つくづく大切な点だと思います。 オンコロジータッチセラピーの哲学に「がんと共に生きる方々の、あらゆる状態にあわせて、タッチを受けていただけるように「調整」をおこなう」という考え方があります。もちろん、身体上の禁忌や、受け手の方が嫌がることはしませんが、〇〇だから、あなたは施術を受けることができない。。。と、否定的なとらえ方はせずに、敬意をもって、受け手の方の意志を大切に尊重しながら、おからだに触れていくことを丁寧に選択していきます。 傷や皮膚の問題や医療機器等、、、たとえ様々な問題があったとしても、その時ふれてはいけない避ける部位や、ポジション・圧等を調整すれば、安全に受けていただけることがまだまだあります。つくづく「タッチ」への信頼が基本にあるワークだとあらためて思いました。いかに届けていくのかを、受け手の方とのかかわりの中で、工夫していく努力。これって、ほんとうに、ハート(愛)のワークだなぁと思います。 デモは、リンパ浮腫のリスクのない方に対する、穏やかで、ゆっくりとした、安心感を大切にした、基本のオンコロジータッチセラピーのワークです。今日は、オイルを使ったワークを行いました。 オンコロジータッチセラピー=オイルトリートメント、、、ではありませんが、一般的な米国のマッサージセラピーがスウェーデンスタイルのオイルトリートメントであることと、地肌にオイルの感触の心地よさは、副交感神経優位をもたらす効果が高いため、オイルの使用が可能な場合は、オイルトリートメント(ローションを使うこともあります)がよく使われます。(場合によっては、着衣の上から手をあてるスタイルも) 参加者の皆様の交換セッションも、とても美しいものでした。受け手の方を大切にする思いが、いつものセッション以上に広がっていったからでしょう。 夜は近くのイタリアンで懇親会♪お一人お一人の参加者の皆様が、思いをもってここに集まってくださったことを、感じました。このつながりの中から、何かが始まっていくのでしょう。まさに「ハート」の輪。明日は3日目。オンコロジータッチセラピーで、避けては通れないリンパ節廓清による、「リンパ浮腫」と「リンパ浮腫リスク」について学びます。 【オンコロジータッチセラピー集中講座3日目】 これまでの復習のあと、今日のテーマはオンコロジータッチセラピーでは避けては通れない「リンパ浮腫」について。手術によるリンパ節廓清によっておこるリンパ浮腫。そして、将来浮腫が起こる可能性がのこる「リンパ浮腫リスク」。がんの手術の深刻な副作用の1つです。 リンパ・システムの理解からはじまり、リンパ浮腫が起こった場合の状態(皮膚等)と、かかわりの調整方法を学びます。浮腫はほんとうに悩ましい。そして、浮腫になるかもしれないという怖れは苦しい。さらに、浮腫の悩みを相談できるところが少なすぎる・・・。 オンコロジータッチセラピーでは、浮腫を軽減するということ以上に「浮腫」と「浮腫のリスク」に寄り添うタッチを目指しています。だから、リンパ・システムと、浮腫についての理解を深める必要があるのです。 いかに大変で辛い状況であるかを理解しながら、細心の注意を払いながら、それを、大げさではなく、自然な流れの中で受け止めていくこと。。。1オクターブ高い“グランディング”の力が必要となるところ。受講生の皆様も、とても集中して学んでくださいました。 キャロリンからは、単に施術を提供するだけではなく、からだのケアについて、広くサポートを提供する、ヘルスケア・チームとしてのタッチケア・セラピストの可能性を今日は、いろんな角度から語っていただきました。 明日は、いよいよ実習です。 明日が最終回。満月ですね。 リンパ浮腫リスクのある個所の腕への施術。 クッションを置いて、少し高くすることもあります。 流しすぎず、穏やかに、そして、大切にかかわるデモセッションでした。 【オンコロジータッチセラピー集中講座、4日目】 最終日は、米国のオンコロジータッチセラピーのカリキュラムにのっとって、実際にがんを体験された方々(治療中の方も含めて)のご協力のもとの施術実習。20名の受講生の方に対して、10名の協力者の方に集まっていただきました。周囲の皆様が、ご家族やお友達に呼びかけてくださったり、がん患者会にかかわる方や、ご自身もオンコロジータッチセラピーに興味のある方等・・・。皆さまのご協力とフィードバックがなくては、オンコロジータッチセラピーは成長できません。ご協力に心より感謝いたします。 実習で、まず大切にされたことは、クライアントの皆様をお迎えするための“場づくり”。 全員で、丁寧にセッティングを調えます。 そして、 問診(情報収集とコミュニケーション) リスクを回避するように調整し 施術プランをたてること。 さらに、実際の施術・・・という流れで行われます。 オンコロジータッチセラピーの問診票には、施術において注意すべき点が明瞭にわかるように、工夫されています。また、問診票を通じて、お身体の状態を、クライアントさんご自身に語っていただくこと。そのことを、大切に受け取り傾聴することも大切な要素となります。 問診は、情報収集だけではなく、ご自身のおからだとつながっていただくための大切なセラピーの一部なのでしょう。(実際に、自分自身の心身の状態を、安全に語れるところが、この社会にどれほどあるでしょうか?) そして、何よりも、受け手の方のおからだを、大切な存在として触れていくこと。それは、がんを通じて、様々な困難を乗り越えてこられたお身体への敬意として、ふれる手を通じて届けられていくのでしょう。私達の手も、施術力も、そして、ハートも、こうやって育てられていきます。キャロリン先生も、「よきプラクティショナーは、クライアントさんの良き生徒となれる人です」とおっしゃいますが、まさに! ご協力くださった皆様のお顔が、セッションが終わり、お帰りになられる頃には、柔らかになられているのを拝見して、あぁ、このクラスを開催したことが、やっと報われる思いでした。決して、十分な施術環境ではなかったのですが、受講生の皆様も、本当によく頑張ってくださったと思います。そして、ご体験くださった皆様からも、こうしたケアが世の中にもっと増えたらいいのにと、、、ご感想をいただきました。ほんと、私達も、さらに成長していかないと。 最後に、シェアリング。初日に書いた、この講座に参加した「意図」を書いた紙を、再び手にする時間。私は、読み返してみて、今日の日の「満月」にふさわしい感触が^^。 『がんで悩み苦しむ方々に寄り添えるタッチセラピストが少しでも増えて、成長し、お互いに探求しあえるグループが成長し、一人でも多くのがん患者さんのサポートとなること』 最後の集合写真。全国で集まってくださったセラピストの皆様。 各々、初日に綴ったこのクラスへの「思い」を書いた白い紙を手にして記念撮影。 オンコロジータッチセラピーでは、がんとがんの治療に関する知識と、リスクを管理する明晰なマインドと、受け手の方によりそうハートと、共に在ることを大切にするBeingの、バランスが大切。それを、養っていくことは、決して簡単ではない道のりではありますが、こうやって、共に道を歩む方々との出会いによって、切り開かれていくように思いました。 満月の今日、大きな一歩の実感。 素晴らしいグループが誕生しました。 キャロリン先生のおっしゃるように 「勉強を続けていくこと」。 まずは、米国オンコロジーマッサージセラピーの もっともベースとなる著書、 Medicine Hands の読書会から、はじめていこうと思います。 (2021年より、zoomでの遠隔レクチャーも予定しております。) 年内に、タッチケア支援センターのホームページで お知らせしたいと思います。
by touchcaresupport
| 2020-10-15 17:41
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