オンコロジータッチセラピーって何?その2(講座では何を学べるのか?)

2019年6月の、東京でのキャロリン・ターグ先生、来日ワークショップにむけて。

オンコロジータッチセラピーとは何か?第二弾です。

今日は、この講座で「何が学べるのか?」を中心に。

第一弾のQ&Aは、こちらです。

https://touchcare.exblog.jp/29298004/

2019年度のオンコロジータッチセラピー講座の詳細は、こちらからどうぞ。

http://touchcaresupport.com/hospitalbasedtouchjapan.html



オンコロジータッチセラピー講座で何を学べるのか?】


【情報収集と問診】

この講座で実際に最も役立ったことは、がんの治療にまつわる患者様の精神的・肉体的苦痛とストレスについて理解するとともに、安全にかかわれるように、受け手の方から心身の状況を情報収集する技術をいただいたことです。

具体的には、米国オンコロジーマッサージセラピー学会で使用されている、がん患者さんようの「問診票」を和訳したものをベースにして使用できること。個人情報となりますので、厳重に管理する必要がありますし、この4日間の講座を出たからといって、すべてのがんについての理解に至るわけでは、もちろんありません。が、問診させていただくことで、受け手の方の声により一層真摯に耳を傾けることができます。医療機関を除いて、がん患者さんが、自分自身の病状や副作用等の悩み等を言葉にする機会はあまり多くはなく、一対一で寄り添うタッチセラピーは、安全性の確保と、信頼関係と寄り添いのために、「問診」というプロセスをとても大切にするのです。


【施術プラン&フレームワーク】

次に大切なことは、問診をもとにして、その方にふさわしい「施術プラン」を立てることです。オンコロジータッチセラピー講座の最大の目的は患者さんへの施術において「施術プラン」が立てれるようになれることであると言っても過言ではないかもしれません。それは、施術の時間や施術を受ける体位、触れてはいけない場所の確認、力加減について・・・等。お一人お一人に対して、そして、医療環境下として、オーダーメイキングすることが、オンコロジータッチセラピーの基本となります。ここは、詳しくは講座でさらに深めていただきたいところです。


【やりすぎないこと】

サンフランシスコで、初めてキャロリン先生にお会いしたときに、この勉強は「何をするかではなくて、何をしてはいけないのかを学ぶ講座ですよ」と言われたことを重いだします。身体的に大きな負担を持つ患者様に、過剰な施術によって、むしろ疲れさせてしまうこともあり、また、圧の加減についても、安全性は再重要なポイントとなります。「何よりも、傷つけることなかれ」が大前提。そのために、講座では、禁忌や注意事項等の、ガイドラインをしっかりと学びます。

でも、その基本を抑えれば、本当に、受け手の方にとって、必要なものを、必要な分量で提供することができるのです。言い換えれば、こちらにある技術を一方的に伝えるdoing のワークではなく、相手の方の状況に寄り添い、ニーズと共振し、共に在るbeing のワークを重要視しているということだと、だんだんと理解することができました。


【医療環境下でのヒーリング空間の設定】

オンコロジータッチセラピーでは、施術者と患者さんが、一対一のつながりをもち、問診を通じて、心身の状況に耳を傾け、信頼関係を築きながら、ゆっくりとその方に応じた圧で、かかわっていきます。ヒーリング音楽をかけたり、採光を調整したり、、、。多くの場合は、静かで穏やかな空間を作りだし、時には言葉に耳を傾け、時には、内側のスペースが広がるように、静かに寄り添い、時には、心地よさが広がるようなトリートメント技術を提供します。こうしたヒーリング空間の設定は、現在、京都町屋をつかってのがん患者会「ともいき京都」さんや、大阪国際がんセンター内の「つながりひろば」さんでの、オンコロジータッチセラピーの会での施術会にもつながっていっています。


【施術は、何をもたらすのか?】

それぞれのケースによって様々ですが、多くの患者様が、がんという診断や治療を通じて、予期せぬ衝撃や、数々の身体への医療的関与に過剰なストレスを受け、心が付いていけない等の混乱と葛藤を抱えておられます。「今・ここ」を伝えるタッチは、そうした混乱をなだめ、マインドフルネスや、自分自身にもどること、そして、一人ではないことを伝えていく力があります。また、皮膚へのやさしい刺激によるリラクセーション効果は、副交感神経優位を促し、相乗的に免疫力を高め、治療効果をサポートします。痛みや吐き気、便秘等の身体的苦痛の緩和、不安や不眠等の精神的苦痛の緩和、、、等も、抗がん治療中に苦しむ患者様へのサポートとなるでしょう。


【手技はどういうもの?】

オンコロジータッチセラピーは、特定の手技ではなく、患者さんに寄り添うために、安全にタッチセラピーを届けるための知識体験です。実技では、手をあてる、寄り添う、オイルトリートメント等が入ります。キャロリン・ターグ先生の施術のバックグラウンドは、標準的な米国州認定マッサージセラピストの技術である、スウェーディッシュスタイルのオイルトリートメントに加え、クラ二オセイクラル・セラピー、ローゼンメソッド、あるいは、レイキ、プラーナ・ヒーリング等のエナジーワーク等、静謐でエネジェリックな寄り添いのタッチを多く用いられています。最終的には、安全性を確保し、医療環境下に即した形で、患者さんにとって受け入れられるものであれば、手技は施術者自身に委ねられるのがオンコロジータッチセラピーの特徴です。


【完全、日本語訳の充実したテキスト群】

オンコロジータッチセラピーの教材は、米国オンコロジーマッサージセラピー講座レベル1のカリキュラムにのっとった、キャロリン・ターグ先生による英語版テキストを、日本語訳にしたもので、内容的にもかなり充実したものです。さらに、副教材として、米国オンコロジーマッサージセラピーのパイオニアである、ゲイル・マクドナルド先生による「Medicine Hands ‐massage therapy for the people living with cancer」の日本語抄訳(抄訳とはいえかなりのボリュームです)も、参加者の方全員にお渡しします。その他、問診表など、すべて日本語訳したものを、クラスでは使います。クラスも、もちろん、経験豊富な通訳が担当しますので、質問等も自由にできます。


【あえて資格認定講座とはしませんでしたが・・・】

過去2回、京都で開催した講座は「オンコロジータッチ認定セラピスト養成講座」というタイトルでした。今回は、あえて資格にこだわっていただきたくないので、そのタイトルをはずしました。とはいえ、この講座は、米国オンコロジーマッサージセラピーの認定講座に相当し、3日半、24時間の実技を含む講座と、最終日の、がん患者さんを招いての実習(問診とコンサルテーションと実技)、さらに、講座終了後に、講師が作成した筆記テスト(日本語和訳したもの)に解答し、規定の点数を得た方には、「オンコロジータッチ認定セラピスト」としての米国共通の修了証をお届けします。そして、資格認定後は、オンコロジータッチ認定セラピストと名乗っていただくことができます。専門的な勉強をしたことの証明は、クライアントさんにとっても安心して施術を受けていただける土台となります。


【継続的な学びのために】

関西では、定期的に集まり研究会を重ねてきました。また、地元がん患者会でのボランティア活動を通じて、実践力を高め、より一層「寄り添える」施術者となるとともに、倫理性や安全性も高めていきたいと思います。関東でも、そうした実践の場が開かれていき、共に学びあうネットワークが形成されることを願ってやみません。


等と、いろいろと書き連ねましたが、よろしければ、ご参考にしてください。願わくば、日本国内の状況にあわせた、オンコロジータッチセラピー的な情報交換の輪が広がればなぁと思います。クラスに参加する方も、されない方も含めて、今後とも、よろしくお願いいたします。

Touch and Loss は、オンコロジータッチセラピー以上に、スピリチュアルケア・グリーフケアとしての色彩が高まります。施術者自身の内側を見つめ、寄り添うことを深めるワークです。こちらは、残席3名様で、拡大はできませんので、ぴんと来られた方はお早目にお申込みください。
前回のレポートをあらためて、お伝えします。
https://touchcare.exblog.jp/26758363/

どちらのクラスも、毎回、慈しみにあふれるクラスとなります。参加者の皆様の心の内側にある「慈愛」が最大限に引き出されるからでしょう。。。

それでは、また!
長々とした文章をここまで読んでいただき、ありがとうございました。

NPO法人タッチケア支援センター


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代表 中川れい子


by touchcaresupport | 2019-03-31 15:26 | 日々の活動