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昨年に続いて2度目の開講となりました、佐野浩子先生(臨床心理士、日本プロセスワークセンター所長)のコーマワーク講習会。私達のタッチケアにぜひコーマワークからの学びを取り入れたいと願い、プロセスワークの創始者であるアーノルド&エイミー・ミンデル夫妻のワークショップで出会った、日本のコーマワークの第一人者である佐野さんをお招きしたのが昨年の夏。今回で、二度目の開講です。佐野先生のわかりやすい解説と、臨床経験、そして、体験的なワークをまじえての内容で、毎年、すごく深まったと大人気の講座です。そして、二度目の開講を経て、このコーマワークからの学びを、「こころにやさしいタッチケア」のエッセンスの1つとして融け込ませていただきたいとあらためて実感しました。 コーマワークは、コーマ(COMA;昏睡状態)の方の、ごく微細なフィードバックに対して丁寧な「気づき」を向ける手法で、通常はきわめて困難とされている昏睡状態の方とのコミュニケーションの回路が開けることがあるということです。これは、アーノルド&エイミー・ミンデル夫妻によって開発されたプロセスワークにもとづく臨床的なアプローチの1つで、「ものごとの自然な流れ(プロセス)」に取り組み(ワークし)、起こるべき変化が何かしらの理由で滞っていたら、「全体」にとってよりよい変化が起こるようにサポートする実践的アプローチに基づくものです。 今回のクラスは11名。タッチケアを学ぶ方、鍼灸師さん、僧侶、臨床心理士、スピリチュアルケアを学ぶ方、そしてコーマワークの土台となるプロセスワークを学ぶ方が集まり、アマナスペースは満杯状態。 今回のクラスでは、初日を「プロセスワーク入門」についてしっかり学びました。創始者のアーノルド・ミンデル博士はユング派の心理療法家で、現在プロセスワークは世界十数か国に研究所があり心理療法のみならず、様々な分野で展開されています。 ミンデル博士の言葉に、 人間の中にあるやっかいな部分を、 ただ追い払おうとするのではなく、 それが表現され、ほんとうに開かれ、 意識的にきちんと認められる時、 もっとも大きな変化が起こるのです。 とあるように、プロセスワークでは、 「起こっていることは、すべて意味がある」 と、一見、間違っているように見えるのも、 その文脈を十分に理解していないのにすぎないのでは? 。。。という開かれた態度が大切になるとのことです。 この「すべてはプロセスである」という考えは、「こころにやさしいタッチケア」の基盤の1つでもあるエサレン®ボディワークにも、大きな影響を与えました。というのは、エサレン研究所の創立者の1人、ディック・プライスが80年代、突然の事故で亡くなったとき、ミンデル博士が招かれて長期ワークショップを行い(「後ろ向きに馬に乗る」)、失意と絶望にくれるエサレン研究所の人々の精神的にささえたということで、ミンデル博士はエサレンの中興の祖だという声もあります。 プロセスワークにおいて注目すべきことの1つは、身体症状と「夢」を扱うところ。 そもそも、ユング派の分析心理学は「夢」を重要視しますが、プロセスワークでは、夢に加えて、「身体症状や動き」にも注目します。 「夢は身体症状を反映し、身体症状は夢を反映する」、、、すなわち、身体に触れることは、その方の「ドリームボディ(夢の身体)」に触れていくことにつながるということ。 これは、昏睡状態のみならず、なんらかの意識障害や、認知症の方、あるいは、言語的コミュニケーションの難しい方、、、あるいは、リラックスをして「寝ているのか起きているのか、、微妙な意識の状態」の方へのタッチケア、いえ、すべての人の「からだ」に触れるワークにおいて、とても大切な概念ではないかと。。。。「からだ」を無意識の領域として語ることもありますが、実際には、完全な無意識ではなく、意識と無意識を行ったり来たりする、文字通り、ドリーミーな領域だといえるでしょう。 このことは、同時に、施術者側の意識もまた、こうした意識ー夢ー無意識といったゆるやかな領域に対して、100%でなくても自分自身が開かれている必要があるので、ある程度の理解が必要となります。 そうした領域をプロセスワークでは 同意された現実 : 多くの人が「現実だ」と合意するレベル、社会的な役割など ドリームランド : 感情や身体感覚、夢など、主観的な体験で他者と共有しにくい。ロールなど。 エッセンス : 形になる前のこんとんとしたエネルギー、源泉、本当の願い、最初の衝動 というふうに分類します。 施術の安全を守ったり、周囲との協調や倫理性を守るために「同意された現実」はもちろん大切です。が、同時に、どこか緩やかで、クライアントさんの身体の中の夢と共鳴するような、ドリーミーな意識状態をキープするのが大切。 こういう状態を両方保つのは、少し上級編かもしれませんが、グランディングとセンタリングと、そして、自分自身のセルフリラクセーション(こうした営みを、プロセスワークはさらに広い意味あいで「インナーワーク」とよぶようです)を大切にすることで生まれてきて、そして、相手の方のからだというドリームランドとの共鳴(チューニング)がよりスムーズに進むかなぁと思います。 さらに、そうしたインナーワークが深まることでエッセンスの領域へと深まり、そこで、タッチを通じて「私という存在と、あなたという存在が本当に出会うフィールド」で触れ合うことができるのではないかなぁと想像しています。そういう意味で、タッチケアやボディワークを学ぶ人には、プロセスワークが学ぶことをお勧めしたいと思います。 今回のクラスでは、初日を特に「コーマワークを通じてのプロセスワーク入門」としましたので、このプロセスワークそのものを学ばせていただける時間が十分にありました。 一次プロセス、二次プロセス、エッジ等の専門的な言葉は、最初は理解するのが難しいですが、慣れてくると、今起こっている状況をより広い視野で眺めることができ、目に見える事象に隠れているものへの理解が深まりました。「コーマワーク」に進む以前に、こうした考え方はとても大切だなぁと思います。 それは、すべてのことには意味があり、全体性を生きるよう、プロセスを完了するために進んでいるという観点をもつことで、コーマ(昏睡)や、麻痺、拘縮、あるいは、ガン等の身体症状、人間関係や家族関係の問題に広く、そして、深くかかわり、寄り添うことができるのでしょう。 さて、2日目はいよいよ「コーマワークの実際」 前回と同じように、実際に自分自身が横たわり、「コーマ」状態を体験します。身動きがとれず、言葉を発せず、他者とコミュニケーションをとれない状態で、他人が関わり、触れていくことが、どういうことであるのか、、、ということを、リアルに体験します。 セラピスト側は、呼吸、とくに吐く息とともに、相手に語ること。雰囲気、ムード、座る位置、コミュニケーションをとりながら、ゆっくりと、穏やかに触れていくことなどを体験します。 こうした、触れ方等の技術以前の、かかわりのアプローチを、プロセスワークでは「メタスキル」と呼びます。 タッチケア支援センターの講座でも、触れるテクニック以前の大切にしたいのですが、この「メタスキル」という概念をもっと深めると、理解しやすいかもしれません。 やはり、時々、「コーマ」状態を体験してみて、普段うっかり忘れてしまっていることは大切だなぁと思いました。 午後は、様々な触れ方の実践。 やはり、触れ合うことで、皆さん、楽しみが増しますね! 最後に、佐野先生の師匠で、現在海外のコーマワークの展開をミンデル博士から任されている、ゲイリー先生が、アメリカで交通事故にあい、コーマ状態であった青年への実際の「コーマワーク」での様子を伝えた貴重なビデオを見せてくださいました。 佐野先生自身も、現在急性期の病院で、臨床心理士として、コーマワークを患者さんたちに実践されているので、多くの臨床上での事例を伺うことができました。 こうしたコーマワークからの学びを、日本の緩和ケアや、医療環境下のタッチケア、あるいは、認知症の方へのケアに活かしていけるのだなlと今回も、実感しました。 私達も、日々の実践や、ボランティア活動に、どんどん生かしていきたいと思います。 佐野先生、今年もありがとうございました! また、素晴らしいクリエイティブな空間を共に創り上げてくださった、参加者の皆さま、ありがとうございます! 来年も、ぜひ、コーマワークを開催したいと思います! (佐野先生の、プロセスワーク入門講座が、関西で1月14、5日に開催されます)
by touchcaresupport
| 2016-09-19 14:10
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