5/3.4 第一回 被災地現地活動報告 岩手・大槌町 

5月1日~6日まで、東日本大震災被災地域である、沿岸部の大槌町・安渡小学校(岩手県)と、七ケ浜・生涯教育センター(宮城県)にて、避難所での、アロマでのハンドマッサージや、着衣のままでのタッチケアなどの、サポート活動に参加しましたので、ご報告します。

 岩手県では、花巻を拠点としての活動で、関西のアイプロジェクト統合医療研究所所長で心療内科医師の竹林直紀先生をリーダーとするグループに参加しました。竹林先生は、バイオフィードバック機器を使用して、生理反応をパソコンのモニターで映し出し、呼吸・皮膚温・筋緊張・心拍数・発汗等の生理指標の変化を見ながら、自らのあり方に気づきをもち、セルフケアする方法を伝えられています。今回の活動は、竹林先生の、花巻温泉周辺に沿岸部から避難されている被災者の方たちに講演からスタートしました。こちら、東北出発前の、レクチャー風景で、私もこれに参加してから現地に向かいました。サンフランシスコ州立大学でメンタルケアや統合医療をおしえるエリック・ペパー先生も緊急来日されています。(神戸新聞  5月1日)
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/0004019686.shtml

 私は、1日に花巻空港に到着し、花巻在住のエサレンボディワークの先輩である鎌田麻莉さんと合流。その夜は鎌田さん宅に宿泊し、翌日は、岩手大学人文学部で竹林先生の、専門家向けのレクチャーに鎌田さんとご一緒に参加しました。鎌田さんからも、現地の様子をうかがうことができました。

 そして、3、4日は、いよいよ、岩手沿岸部で、壊滅的な被害をうけた被災地、大槌町へ・・・。私たちのチームは、臨床心理士、アロマセラピスト、ヨガ療法士、理学療法士 などの代替医療の混合チームです。
 花巻より、片道2時間かけ、遠野を経由して山脈を山越えし、沿岸部へ・・・。
 今回、私たちを先導してくださったのは、岩手県で立ち上がった被災地支援グループ「ゆいっこ」の花巻支部の皆様たちです。ゆいっこさんのコーディネートで、今回は、花巻現地のアロマセラピスト、看護師、また、札幌からいらした気功の皆様や、「こころとからだのケア」にかかわるメンバーで、計5台の車が一路、大槌へ・・・。

 大槌町に入ると、風景が一変しました。見渡すかぎりの瓦礫・・・。町ひとつがすっぽりと壊滅状態でした。
 瓦礫の風景は、阪神大震災直後、1-2か月の間、日常的に眺めていた、見慣れた光景ではありましたが、さすがに一瞬、息をのみ、そして、言葉を失いました。

 案内してくださった方が、「ここは、地図がまるごと無くなった町なんです」という表現は、実によく伝わりました。しかし、果てしない瓦礫のむこうに、美しい入り江が見えます。そこに、小さな島が浮かんでいます。
「あの島は、ひょっこりひょうたん島のモデルになった島なんですよ」と・・・。遠目でしか見えないのですが、たしかに、かつてのNHK の人形劇、井上ひさし原作の「ひょっこりひょうたん島」にとてもよく似ています。

 この大槌町には、同じく井上ひさし原作の「吉里吉里人」のモデルとなった地名「吉里吉里」とつく駅や小学校があります。井上ひさし氏ご自身は、山形県出身だそうですが、小説「吉里吉里人」は、東北の寒村がある日突然日本政府から独立宣言し、吉里吉里王国として立ち上がる・・・という内容の小説。。。実際には、宮城北部の沿岸部の村がモデルとなったそうですが、地名はここ大槌に由来するそうです。

 私たちがおとずれたのは、吉里吉里小学校ではなく、「安渡小学校」です。そこは、少し高台にあるのですが、眼下に広がる村は、すべて瓦礫の地平と化していました。これでも、だいぶんきれいになったと村の方はおっしゃってましたが、私たちの目からは、まるで、震災からずっと、そこは「時間が止まってしまってるかのように」感じられました。そして、音もなく、言葉のない空間が・・・。瓦礫の地平に、ところどころ、赤い旗が風に吹かれながら立っていました。それは、津波の被害にあわれた方のご遺体が発見された箇所を示す目印だそうです・・・。大勢の方が亡くなられ、そして、今だ行方不明の方も多いそうです。

  多くの被災者の方は、内陸部や県外に避難されたそうですが、この村にとどまる方たちも大勢おられます。市場も、マーケットも、病院も、そして、町役場すら、すべてが流されていった町。。。
 そこに、寄り添うように、一部に残った高台にある建物で、住民の方たちが、避難生活をされていました。

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 私たちは、3日は安渡小学校で。4日は、高台に残った個人住居個別訪問。午後は避難所となっている大槌稲荷神社で、活動しました。

 アロマのハンドマッサージ・チームは、関西アロマセラピストフォーラムの皆さんと、ご一緒させていただきました。ほとんどの方は看護師さんで、とくに、リーダーの宮里文子さんは、私と同じく、阪神大震災の被災者で、避難所・仮設住宅と体験された方です。被災された方たちの気持ちに寄り添うように、決して、土足で踏み込むことがないように、避難所の皆さん、御一人御一人に声をかけながら、ニーズを伺っていきました。

 施術のほとんどは、それぞれの皆さんが普段生活されている避難所の内部でやらせていただきました。
 当初は、ハンドのオイルマッサージのみの予定でしたが、伺っていると、首や肩がこる、腰や膝が痛いと、全身を訴えられる方が多く、座位や仰臥位、あるいはうつ伏せなど、その方が楽な姿勢で、タッチケアをさせていただきました。また、女性の方にはそれに、腕のオイルマッサージもおこないました。(オイルは、関西アロマセラピストフォーラムさんにロート製薬さんが寄付されたローズ入りホホバオイルを使用させていただきました)

 当初は、15分ぐらいの短い施術時間をと思っていましたが、ある程度満足感を感じて、ゆったりと過ごしていただくために、40分ぐらいに及びました。施術中に寝てしまわれる方も多く、気持ちがよかった、リラックスした、からだが軽くなったという感想を述べてくださる方もおられました。また、施術中に、体験を語る方も少なくありませんでした。津波に流されてしまった息子さんのことを、目に涙をうかべて語る高齢の女性の方もおられました。

 避難所のすべての方が受けてくださったわけではありません。好き嫌いはもちろんあるでしょうが、中には恥ずかしさ、あるいは、遠慮から受けれないという方も多かったようです。最後に、神社を立ち去るときに、なかなか自分の番にまわってこなくて、人が気持ちよさそうに受けてるのを見てると、かえってストレスがたまってしまった・・・と、冗談まじりでおっしゃってる方もおられましたが、そうやって、我慢されてる方は大勢おられると思います。

 タッチケアが、どれほど皆様のお役にたったのかは、まだまだ未知数ではありますが、ほんの一瞬でも、心地よく、リラックスしていただけたのなら・・・と思います。また、ふれさせていただいた私自身が、その地で避難される皆様との、強い絆の感触を、いまなを持ち続けることができました。
 できることなら、何度も何度も通い、施術をさせていただけたらと思います。あるいは、もう少ししたら、自立支援として、被災者の方どうしがタッチケアをしていただけたらと思います。

 現在、作成中の、小冊子「こころにやさしいタッチケア」がもうすぐ完成いたします。6月以降には、なんとか配布ができると思います。これを読んで、家族や、友人同士でふれあい、はげましあうきっかけになれば幸いです。

 こちら、花巻「ゆいっこ」さんのブログです。当日の報告があります。
http://yui-hanamaki.jugem.jp/?eid=194


岩手県、大槌町  安渡地区の皆さんが、少しでも楽になられますように。
そして、あの町が再建される日が、少しでも早く訪れることを願わずにはいられません。
NPO法人タッチケア支援センターとしても、今後、大槌町への支援を継続的におこなう方法を検討していきたいと思います。
(次は、5月5日、宮城県、仙台郊外の七ケ浜での活動を報告します)


                 報告  NPO法人 タッチケア支援センター 中川玲子
              http://touchcaresupport.com/

大槌町の入り江に浮かぶ、ひょっこりひょうたん島                    b0228973_221538.jpg



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津波で民宿の上に乗り上げた観光船
5月10日に撤去されたそうです。↓

 

 
# by touchcaresupport | 2011-05-10 22:16 | 震災支援活動