技法・様式をこえて ~オンコロジータッチセラピーって何?~

「オンコロジータッチセラピー(がん患者様のためのタッチセラピー)って、結局、どんな手技なんですか?」

って、よく質問されるのですが、なかなか、一言では、説明しきれません。
デモセッションを観ていただくのが、一番なのですが、それも、それぞれのケース(患者様のニーズ)にあわせてなので、一概には言えないのです。

強いていえば、
とても、ゆっくりで、ソフトで、gentleなタッチ です、、、という説明でしょうか。。
時には、エネルギーレベルにタッチするような場合もあります。
着衣のままからの、1グラムタッチ。
あるいは、ローションを塗布して、ゆっくりとやさしいストロークを、背中や手・足におこないます。

あおむけ、うつぶせ、あるいは、横向き。
様々なポジショニングが、患者様の状態にあわせて、選ばれます。
クッション等で、からだをサポートすることも大切です。

アメリカでは、これは、州認定マッサージセラピストの上級者の行う施術ですが、
観た感じでは、マッサージというよりも、”ヒーリング・ワーク”に近いといえるでしょう。
重篤な状態の方には、エネルギーレベルで、ただ、手を当てるだけ、、、というワークが、力を発揮します。
(それだけでも、十分に、パワフルなワークです)

でも、これもまた、一例でしかありません。
重要なことは、患者様の状況にあわせて、どのような圧で、どのようなポジションで、場所を、どれぐらいの時間で、施術すれば安全で、かつ、効果的であるかを、セラピストが見極めることが、大切なのです。また、医療チームとして連携していくことなど。
そのことを学ぶのが、オンコロジータッチセラピーであるといえるでしょう。
なので、リスクがあまりないときは、もう少し、圧が加わることもありますが、しかし、医療環境下では、どのようなリスクが隠れているかわかりません(深部静脈血栓や、本人も気が付かない骨への転移等)
情報収集、注意力、そして、気づきの大切さは、言うまでもなく、そして、一層に、グランディング&センタリング、ヒーリング空間をホールドすること、そして、マインドフルネス(今・ここ)な気づきが大切だといえるでしょう。(これは、本当に、施術力として大いなる力を発揮します。キャロリン先生も、そのことの大切さを強調されていました)

これから、こうしたことを日本国内で、連続的に学習しあう会を続けていけたらと思います。

オンコロジータッチセラピーの副教材で、キャロリンターグ先生の師匠である、Gary Macdonald 先生の大著「Medicine Hands - massage therapy for people with cancer 」の第七章のタイトル、

First Do Not Harm ~
何よりも、まず、害をなすことなかれ

(訳:kazuko Devirgilio)

の言葉にあるように、「安全・安心・リスクの管理」が、オンコロジータッチセラピストの、第一に留意すべきことなのです。

(Medicine Hands については、前回のブログをお読みください)

2015年1月の日本で最初の、オンコロジータッチセラピー講座にご参加の方のご感想で、次のようなお言葉ありました。

「害をあたえないケア」という言葉のイメージが、

「制約の多い消極的なケア」から

「害を与えることなく、患者さんをサポートできるより広い可能性を持つケア」

へと、ポジティブに変化していきました。


そうなのです。
最初は、制約だらけで、マッサージセラピストが大好きな、「自由」な感覚が、損なわれる感じがして、息苦しい気持ちになってくるのですが、3日間、しっかり学んだあと、、逆に、そのリスク管理をしっかりやれば、触れることに躊躇するような、でも、本当に、サポートが必要な方達に、安全で、そして、豊かなセラピーを提供することができるのです。制限の中でも、私たちが、やれることは、たくさんあるのです!

前回ご参加だった看護師さんで、すでに、医療現場でのタッチセラピーを行ってきた方は、それまでは、何もガイダンスがなく、リスク管理もそれほどなく、振り返れば、結構、あらっぽいこともやってきたように思います。。。というお言葉もありました。そう、いまだ、ガイドラインがなく、手探りな状態だったようです。

同じく、Medicine Hands の第五章「力加減・サイト(施術箇所)、体制、フレームワークへの振り分け方」に、このように著されています。

がん患者へのタッチセラピーは、2つとして同じものになることは、ありません。

スウェーディッシュ・マッサージでのセッション、リフレクソロジーの訓練を受けた人のセッションなど、それぞれの様式でのタッチセラピーを行うことができるでしょう。

しかし、ここでタッチセラピストが使うテクニック・力加減・ポジションの調節は、クライアントの要望を満たすものでなければなりません。

・・・・Medicine Hands は、どの様式のボディワークを推奨するわけではなく、むしろ、多くの様式のものが、がんと共にいきる人々に適切であると考えています。



なので、様々な施術のバックボーンを持つ方に、ご参加いただいて、「がん」という病気の背後に広がる、病歴だけではなく、その治療法、副作用、患者さんの生活、心理等を、総合的に学ぶ、「オンコロジー(癌・腫瘍学)」という地平で、学びあえたらと思います。

このコースは、米国州認定のマッサージセラピストの上級講座ですが、日本では、アロマセラピーマッサージ、リンパトレナージュ、エサレンボディワーク、スウェーディッシュマッサージ、ロミロミ等の、オイルトリートメントや、レイキ、ポラリティ、セラピューティックタッチ、ヒーリングタッチ、オステオパシー、クオンタムタッチ、クラニオ、ローゼンメソッド等の手をあてる療法の方にも、ぜひご参加いただけたらと思います。もちろん、看護師、理学療法士、作業療法士、そして、医師の方にも、ご参加いただけたらと思います。

治療だけではなく、Healing の力を、患者様に届け、患者様のもつ、自分自身を癒す本来の力、免疫力が高まることを、サポートします。ホリスティック医療、統合医療の目指す、大切な観点のひとつなのでしょう。

10月31日~11月3日、第二回オンコロジータッチセラピー講座 レベル1
こちらをごらんください。
http://touchcaresupport.com/hbm/

2015年1月、キャロリン・ターグ先生の、ホスピタルベイスドマッサージの報告会の様子です。
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by touchcaresupport | 2015-08-25 12:14 | 日々の活動
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