サンフランシスコの『ラグナホンダ病院』を見学しました!

2015年6月、エサレンボディワーク認定コースの仕上げのパート3の引率で、カリフォルニア州エサレン研究所へ。。そして、その帰りに、サンフランシスコに立ち寄り、ホスピタルベイスドマッサージの指導講師である、キャロリン・ターグ先生の勤める、ラグナホンダ病院 Laguna Honda Hospital & Rehabilitation center に訪問し、ここで展開されている、マッサージセラピーの現場を見学させていただきました。(病院内での見学ですので、写真での記録は控えさせていただきましたので、今回は、見聞きしたことを中心にお伝えしたいと思います。報告:NPO法人タッチケア支援センター 代表 中川玲子)

ラグナホンダ病院とはカリフォルニア州、サンフランシスコの中心、ツインピークスという小高い山のふもとにある、とても古い病院で、700床近くある、市が運営する大きな病院です。

2012年に、カリフォルニア州ノンフィクション大賞を受賞した『神様のホテルー奇跡の病院で過ごした20年間」の著書、ビクトリア・スウィート医師の描いたこの奇跡の病院とは、このラグナホンダ病院のことです。
(ビクトリア医師は、中世ドイツの修道女、ヒルデガルトの研究と、このラグナホンダで展開されている医療とを重ね合わせながら、このノンフィクションを著しています。西洋医療の客観的な見方に頼りすぎず、まさに「人を看る」ことを実践する医師たちの心あたたまる記録です)

その本の扉のところで、ラグナホンダ病院は、このように記されています。

「1867年、ゴールドラッシュに沸くカリフォルニア州サンフランシスコに開院。当時メキシコ領だったオールド・サンミゲル地区にある木造建築物を、開拓者や炭鉱夫のためのケア施設に転用したのがはじまり。背後にそびえるツイン・ピークスから湧き出る天然温泉がラグナ・ホンダと呼ばれているため、この名前が付けられました。この施設は「救貧院」とよばれ、さまざまな理由により社会生活が困難となった人々や、行くあてのない慢性疾患をもった人々、回復の兆しがない病人のためのシェルター(避難所)として機能した。こうした救貧院はアメリカのすべての州にあったが、過去40年間のあいだにほとんどが閉鎖され、ラグナ・ホンダは、アメリカの「最後の救貧院」といわれる。(『神様のホテルー奇跡の病院で過ごした20年間」より)

とてもとても、古い病院ですので、ほとんどは老朽化してしまい、周囲には、スペイン風のかつて病院として使われていた古い建物が並びますが、現在は、使用されていないそうです。

老朽化によって存続が危ぶまれたラグナホンダ病院でしたが、サンフランシスコ市民の住民投票によって、存続が決定し、税金や市民による寄付によって、5年前、近代設備のととのう、新しい病棟が建ちました。私達が、今回見学させていただいたのは、こちらの、近代的な病棟のほうです。

ここは、リハビリセンターでもありますので、患者さんの8割近くが、車椅子です。
病院にいると、本当に、この世には、いろんな車椅子があるんだなぁと、近代的でファッショナブルな車椅子を上手にあやつって、病院内を行き来する患者さんたちの姿をよく見かけました。

キャロリン先生が働く部署は、この病院の「ペインクリニック」です。
ホスピタルベイスドマッサージには、様々な効果がありますが、ここではとくに「痛みの緩和」のために、取り組んでいます。
マッサージセラピー、鍼灸、気功、音楽療法など、様々な代替医療で、少しでも鎮痛剤の量を減らす試みが、医療チームで行われています。キャロリン先生の教え子でもあるセラピストの方が患者さんになさる施術を、少し離れたところで見学させてもらいました。このときの施術は、ソフトで穏やかな、エネジェリックなタッチ。そして、音叉を響かせた波動の音楽療法も、同時に行われていました。この組み合わせはとてもよく、頻繁に行われるそうです。患者さんは、かなり重篤に見えましたが、約20分間、穏やかな時間と空間の中で安らいでおられるようでした。

グレース医師(Dr. Grace Dammann)という車椅子の女性の医師が、このペインクリニックのリーダーです。この方は、80年代のエイズ患者への献身的なケアでダライラマ賞を受けましたが、数年前に大きな交通事故にあいました。が、奇跡的な回復力で、今は車いすの医師として活躍されています。
(グレース医師のドキュメンタリー映画『States of Grace』が完成しました。こちらです。
http://openstudioproductions.com/states-of-grace/

彼女を中心に、1日に数回、ミーティングがおこなわれます。ミーティングの始まりは、5分間の瞑想から。その後、患者さんのリストを見ながら、それぞれの方の状態をシェアし、どのような施術をうけて、どのような効果や状態の変化があったのか、いま、どういう感じなのかを、分かち合います。何がどのように効果があるのかも大切ですが、それ以上に、様々な方法に対してオープンになり、いろんな角度から複合的に患者さんの状態が少しでもよくなるように、チーム医療を展開していくのが、ラグナホンダ病院に根付いたスタイルのように見えました。

ペインクリニック以外にも、ラグナホンダ病院全体を見学させてもらいました。アートセンターでは、車いすに乗った後遺障害の患者さんがOPさんと一緒に絵を描いていました。どの絵も、とても本格的で、個性的なものでした。ファームでは、野菜や草花と一緒に、ヤギや豚やアヒル、そして、ウサギたちがいました。車いすに乗った患者さんたちが訪れて、動物たちと触れ合います。最近生まれたばかりのウサギの子どもたちが、一番の人気者でした。リハビリルームには、2つの温水プールがあり、ワッツのような体験もできるそうです。カフェテリアは、自分で好きなものを選ぶビュッフェスタイルでお皿の重さをはかります。

病院内は、キャロリン先生と、看護師長のアンさんが、案内してくれました。ここでは、誰も白衣を来ていません。自由にオープンなスタイルで、患者さんと接します。アンさんは、とても笑顔がステキで、やさしく、フレンドリーな方でした。何度か、ナーシングの講義で、来日されたことがあるそうです。彼女が、私たちに、韓国人の女性で、日本語の上手なおばぁさんがいるから、彼女に日本語で話かけてほしいと頼まれました。私たちの顔を見ると、おばぁさんは、大きな声で「元気ですか!」と、笑顔で話しかけてくれました。

グレース医師と、少しだけ、ローゼンメソッドの話になりました。彼女は、生前のマリオンローゼンをご存じらしく、私がお会いしたことがあることを伝えたら、マリオンは、真実のヒーラーだったとつぶやいておられました。私には、そうつぶやくグレース医師自身も、真実のヒーラーに見えました。

今年11月に来日されるキャロリン先生が、開講される2つの講座は、今年1月同様「オンコロジータッチセラピー講座~がんを生きる人々へのタッチセラピー~」と、もうひとつ、「ニューロ・タッチセラピー~脳卒中や事故等の後遺症状と共に生きる方達のタッチセラピー~」。このニューロタッチセラピーについては、キャロリン先生が、グレース医師とともに、開発してきたもので、サンフランシスコでのクラスでは、お二人で指導されます。今回、経済的な理由で、私達は、グレース医師をお招きすることができなかったのですが、キャロリン先生を通じて、そのエッセンスを伝えてくださればと思います。やはり、当事者の視点から構築されたマッサージセラピーということで、とても、特別なものを感じるのです。

キャロリン先生の、京都で開催する2015年秋の来日講座のお知らせは、こちらをご覧ください。
http://touchcaresupport.com/hbm/


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近代的な新しい病棟。

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かつてのスパニッシュスタイルの病棟、老朽化したため現在は使用されていません。

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農園や、動物たちとふれあうコーナーがありました。
ちょうど、生まれたばかりの子ウサギが、、、。大人気でした。

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キャロリン先生と、一緒に同行した通訳の由美子さんと、ツーショット。
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by touchcaresupport | 2015-07-14 10:26 | 日々の活動
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