サンフランシスコでのHospital Based Massage 体験研修のご報告

2014年6月7日から19日まで、エサレン®ボディワーク資格認定コース、パート3のエサレン研究所での講習の引率のため、米国カリフォルニア州にいっておりましたが、その帰りに、かねてから関心をもっておりました、ホスピタル ベイズド マッサージ (HBM / Hospital Based Massage )の指導講師の一人である、キャロリン・ターグ先生のサンフランシスコのお宅にお邪魔して、日本人向けの1日半の特別講習を開いていただきました。本来、300時間を要するコースで、今回はそのガイダンスのみででしたが、大変学ぶことが多く、色んな気づきをいただきました。以下、長くなってしまいましたが、講習体験レポートです。よろしければ、皆さんとシェアしたいと思います。
                報告: NPO法人タッチケア支援センター 代表理事 
                エサレン®ボディワーク認定プラクティショナー  中川玲子
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今回のクラスは、こちらからお願いしての特別講習だったので、講習場所は、サンフランシスコの高台の住宅街、パシフィック ハイツのキャロリン先生ご自宅でした。(ご自宅前での私)
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キャロリン先生は、若々しく健康的、そして、知的で、優しい雰囲気の方でした。(写真、中央)
参加者は、私(左)と、看護師歴30年以上で、私同様、エサレン®ボディワーク認定プラクティショナーの藤原知美さん(右)。生徒は二名という、かなり贅沢なクラスです。
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通訳には、10年以上サンフランシスコで看護師として活躍する日野洋子さんにお願いしました。洋子さんも同じくエサレン®ボディワークのプラクティショナーです。
まずは、ご自宅のリビングのソファーで、じっくりと講義を拝聴。
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さて、それでは 本題です。
まずは、ホスピタル・ベイズド・マッサージとは何であるかを、キャロリン先生のホームページを参考にして、簡単に説明してみましょう。

ホスピタル・ベイズド・マッサージ (HBM / Hospital Based Massage)とは?
(Tague consultant web.site : http://www.tagueconsulting.com/ より引用)

ホスピタル・ベイズド・マッサージ (以下、HBM / Hospital Based Massage)は、病院の患者やその家族、そして医療スタッフに対して、その様々な状況に必要に応じて適応されながら発展してきた一連のマッサージ・セラピーの総称です。約20年前からこの名称がつかわれ始めました。(1995年にアメリカでホスピタル・ベイズド・マッサージ・ネットワークが発足しています)


良質なHMBは、安全かつ効果的、そして、持続可能な形で、心臓疾患・脳梗塞・癌・リハビリテーション・緩和ケアなど、個々の患者や病院全体の複合的な状態に応じて、マッサージやボディワークセラピーとして提供されます。

患者は、病院下で過剰なストレス下の環境におかれます。回復期のセラピーにおけるHMBは、こうした状況下での患者自身の自己治癒力を励まし、促進するものであり、それは医療的にも効果的です。

病院に身を置くことを余儀なくされている人々や、医療的ケアが必要な状態におかれる人々にとって、優しいマッサージやボディワークを提供するHMBセラピーは、ボディワーク全体的なフィールドの中でも、もっとも充実した実践のひとつだと言えるでしょう。

HBMのセラピストは、州や国に認定されたマッサージセラピストであると同時に、病院環境で協働できるよう訓練され、病院や急性期での環境を理解し、ヘルスケアチームの一員として法的な要求と信任に応えて働く能力を有しています。より有能なHBMセラピストは、人々のボディ・マインド・スピリットが統合された状態へと促すことができます。

現在、全米で300以上の病院が、患者やその家族や医療スタッフに対して、何等かの形でマッサージセラピーを提供しています。病院の上層部は、その効果を理解し、マッサージセラピーや、その他の代替統合医療のサービスを提供する価値があるものと位置付けています。健康が増進した患者たちの数々の逸話、コストの軽減、非侵襲性、特にハイテクな機材が必要ではないこと等が数々のリサーチにより明らかになりつつあるからです。
(Desk Reference Academic complete mentary alternative health care )
*アメリカでは、マッサージセラピーについて、また、そのエビデンスやリサ―チ法についての著書がものすごく沢山あり、驚かされます。
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また、こちらの方が、Hospital based massageのパイオニアだそうです。

Tracy Walton  『Medical Conditions and Massage Therapy』著者 
Gayle Mac  『Massage therapy for people with cancer』 著者


さて、それでは、キャロリン先生の、プロフィールをご紹介しましょう。

HBM講師 キャロリン・ターグ 女史 Carolyn Tague 

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シカゴ生まれ。元高校講師。法律事務所でも10数年勤務する。その後、カリフォルニア統合学研究所大学院(CIIS/ California Institute of Integrated Studies http://www.ciis.edu/)で、哲学・宇宙学・心理学を修める。そこで、ボディワークやマッサージに関わる人と交流し、より実践的な道に進むことを決意。カリフォルニア州認定マッサージセラピストの資格を得、母校のCPMC(California Pacific Medical Center http://www.cpmc.org/)の統合医療チーム(心理学・音楽療法・誘導瞑想・チャプレン等)の一員としてマッサージセラピストとして従事する。スタンフォード大学の子ども病院のマッサージセラピストとしても採用される。その後、CPMCでの臨床教員の職を得て、病院でのマッサージセラピストの養成にあたる。同時に、ローゼン・メソッド、クラニオ・セイクラム・セラピー、エナジーワーク、グリーフケア等もワークに取り入れ、様々なメソッドを統合し、独自のHBMセラピーを展開する。主にHBMと、Oncology Massage(腫瘍・癌マッサージ)、Kids massage(子どものマッサージ)を三本柱として行っている。また、病院でのマッサージセラピーの導入に関するコンサルタントも行う。現在は、活動の中心をCPMCから、サンフランシスコ市立で1000床近い大病院のLagna Honda Hospital &Rehabilitation center http://lagunahonda.org/ に移行し、ここでのHBMの教育プログラムと施術サービスのマネージメントを行う予定)
またhospital based massage の300時間のコースは、理学療法士・看護師・マッサージセラピストが受講し、カリフォルニア州認定マッサージセラピストの継続コースの単位としても認められている。




次に、HMBについて、項目にわけて、キャロリン先生の講義をもとに、まとめてみたいと思います。


病院でのマッサージプログラムの導入の着眼点
・患者さんの安全を第一義に、しっかりと管理することが大切。
・1日何人ぐらいの患者に、どのぐらいの費用で施術をするのか?
・マッサージ・セラピストのスキル(能力)は?(トレーニングされてない人を雇うことのリスクを把握する)



HMB、施術において意図する目的

① リラクセーション&副交感神経優位となるように働きかける。
② 患者自身がセルフヒーリングへと導かれるように働きかける。(理学療法とは異なる)
③ 安全であることが第一義。
④ セラピストは、やってはいけないことをしっかりと学び、自分自身のケア(感染・身体メカニズムの理解)を大切にする。

HMB、施術における6つの着眼点 


①どのエリアを、どれぐらいの広さに施術をするのか?
② 患者の体位をどのようにするのか?
③ タッチの圧は?
④ ふれるスピードは?
⑤ どれぐらいの時間を施術するか?(平均は20分ぐらい/ 長すぎても患者が集中できない)
⑥  医者の患者への処方についての理解


HMBの施術における、重要ポイント  

gentle soft slowly (やさしく、やわらかく、ゆっくりと)

注意 ボディワーク&マッサージ
    エナジーワーク
    ホスピタルベイスドマッサージは、異なるカテゴリーであることを理解するのは大切。

次に、実際に医療器具を装着した状態であるモデルさんへの、HMBのデモセッションについてのご報告です。

キャロリン先生が、医療用チューブを手にとり、説明されます。

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実際には、病院のベッドを、頭側をリクライニングさせて、そして、電動の昇降機付なら、高さを施術しやすいように高めにして、周囲から施術していきます。
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タッチは、あくまでも優しく・ソフトに、そして、ゆっくりと。
着衣の上から、医療用チューブ等が装着されていない側から触れていきます。
非常に、穏やかで、かつ微細なタッチの質感で、ローゼンメソッドやクラニオ・セイクラム・セラピー、レイキ、エサレンなどを融合した、先生独自のスタイルです。

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それでは、実際に流れを追いながら、デモセッションをお伝えしましょう。

医療器具を装着した状態でのデモセッション

【着眼点】
  チューブが入ってる箇所やその周辺は、緊張しやすい。
それを装着しているだけでも、多大なストレスがある。
  だからこそ、マッサージセラピーは、効果がある。
  HBMによって、患者さんに、安全・リラックス・ヒーリング・ハッピーであることを、思い出してもらう。
     
【注意点】
器具をとめているところは、触れない。ひっぱらない。
患者が、途中で吐き気を催すかもしれないので、その場合は対処する。
必要な時は、マスクと手袋をつける。
皮膚に炎症がある場合は、マッサージしない。


【デモの実際 一般的なワーク】
  約20分。マッサージテーブル(電動)を高下して、頭を少しあげるようにリクライニングし、周囲から関わっていく。
  
エネルギーレベルでふれていく、軽いタッチ。
関節をホールドするように両手でタッチするのは効果的。
チューブのついていないほうから、ふれていく。

足は、あまり触れない。足の裏も、リフレクソロジーしない。
触れるとしても、軽い圧で。強い圧は、深部静脈血栓症(Deep Vein Thrombosis 、DVT)の可能性があるため、絶対に避ける。
病院によっては、まったく足に触れてはいけないところもある。
(アメリカではDVDは、がん手術後の死亡理由の第二位だそうです)
場合によっては、医師の指示により、血栓予防のための、フットポンプを行っている人もいる。
*足のむくみ、リンパによる浮腫については、それに従ったプロトコールがあるとのこと。
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肩関節のホールド。関節をつつむように、軽いタッチで、ただ、ふれる。
マインドフル(今・ここで、グランディングした状態)で。
エネルギーを感じながらふれていく。
こちら側は、左側より、一層ソフトに。手もスライドさせません。

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ラインのついていないところは、ローションをつかってのマッサージはオッケイ。
(オイルは、すべるので使わない。アロマの精油も、人によっては香りが吐き気を促すことがあるので、
使わない。無香料のマッサージローションが良い)

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キャロリン先生ご使用のマッサージローション。オーガニックで無香料。パラペンフリー。
あまり日本では売ってないのが残念^^。
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患者は、意識は安全だとわかっていても、身体は、不安や緊張をかかえている。
施術者は、そのことをよく理解し、そして、相手をよく感じながら、施術をつづける。
反対側にまわったり、移動するときは、声かけしながら行う。ドレーピングにも注意。

ベッドに腰掛ける場合は、感染予防のため、タオルをおく。
自分の衣服が相手のベッドにつかないようにする。(どの患者さんも、キャリアである可能性があるため)

病院という環境の中、患者さんとのつながりを大切に、自分自身のハートと、プレゼンスの中にいること。
1つの方法として、「音楽」を使うことが大切。
i-phone を、ビニールにいれて、枕元におきて、ヒーリングミュージックをかけてみる。

( 施術者自身が、しっかりグランディングし、患者さんのベッドの周囲の空間を、平和に保つことは、とても、大切なことだと思います。それによって、その空間が、一種のヒーリング空間となるのでしょう)



セラピストは、コードブルー(心肺停止になった人のところに医療人が駆け付ける状態)が起こるような、病院の環境に慣れることが大切。もしも、患者が、周囲がうるさくて、他のことに気がとられ、施術に集中できないときは、額等に軽くマッサージするのも良い。

習慣的にやってしまわずに、常に、マインドフルネス(今・ここ)が大切。
こうした体験に対して、患者がウエルカムかどうかは、相手の呼吸を観察することが大切。
深い呼吸は、副交感神経優位となるサイン
ゆっくりとした動きが、相手とのコネクト感を深める。

【ラインの装着られている箇所での注意点】
感染に注意。手をふれず、また、その周辺ではローションをつかわない。
また、皮膚の下、静脈にもラインが入っていることがあるので、気を付ける。
触れる場合は、より軽いタッチで手をあてる。
また、手をスライドさせずに、数か所に、手をやさしくあてるスタイルで。

【デモセッションを受けた人の感想】
    「深くマットに沈み込む感じがした。
  最初は緊張したが、相手に任せてもいい感じがした。
    ラインを装着されて不安感を感じたが、施術中、空間がしっかりと守られて、落ち着けたので、
    とてもリラックスし、力がぬけた。
    ベッドの周囲の空間だけが、異なる空間に感じた。
 

患者が、感情が表現したり、昔話をしたりする場合は、逃げずに、手をとめて、どこかにホールドしながら、傾聴する。
質問する場合は、「大丈夫ですか?」というyes or no と答える質問ではなく、「今、言いたいことは、何ですか?」と、自由に応えれるような質問にする。


HMBで気を付けるべきこと。

禁忌を守り、患者の安全を守ること。
病院の文化や環境、カルテ作成の決まり事などに準ずること。
院内感染の衛星基準を守ること。
深部静脈血栓症への留意。
ゆっくりとした動き。
強い圧は避ける。また、ふれることを避けないといけない場所を把握する。
病院という環境の中での、グランディング。
まだ、世の中に認知されてない新しい仕事なので、慎重に行うことが大切。

HBMの様々なプロトコール

老人療養施設やグループホームで
交通事故等で長期療養している人
がん患者
ALS
パーキンソン病
麻痺
頭部外傷
脊椎損傷
脳性まひ
緩和ケア
ホスピス
脳梗塞&心臓疾患等のリハビリ
グリーフ(悲嘆)ケア

緩和ケア病棟では、マッサージへの保険適応がきくが、しかし、今なお、専門家の教育がなされていないのが現状。



ケース・スタディ

ケース①  38歳女性 二児の母。4期の卵巣癌。週に5日、化学療法。
      サンフランシスコから車で3時間のところに暮らす。
      看護師にすすめられ、自身も必要と感じ、マッサージを受ける。
      化学療法のため、吐き気がする。ペインコントロールは効いている。
      孤独感と、子ども達への心配・

      施術は、肩と首と手、足。
      女王様のように、リラックスできるような体勢で。
      約30分。最後にはレイキもおこなう。
      彼女が、彼女自身の身体の中にいてもらうことを意図する。
      しっかり支えられ、心地よく、、、を意図。
      吐き気が緩和される。
      定期的に、病院でマッサージが受ける。

      彼女の母親は、彼女がマッサージの施術を受けることで、大変喜ぶ。
      その後、彼女はそれほど長くは生きれなかったが、痛みがコントロールされると同時に、
      マッサージにより吐き気が緩和され、小さな子供たちへの心配も、癒された。


ケース ②  78歳の男性  引退した肺の専門医。 

肺がん。
施術は椅子に座った形で。ローションを使い、背中に手を置き、手のぬくもりを伝えるように、
背中から肺にそのぬくもりを、すみこませるようなタッチ。
自律神経系の副交感神経に働きかける、gentle massage .
やさしくソフトなマッサージのため、転移の心配は不必要。


ケース③   12歳の少女、 ヒスパニック系 両親は英語がしゃべれない。

少女は、とても孤独に見えた。
やさしいマッサージをしながら「何か、話したいことはある?」と尋ねた。
すると、彼女は、「ここの病院の人は、私のことは好きじゃないのだと思う」と答えた。
点滴を抜いたときに、とても痛かったけど、ナースが、痛いわけがないでしょ、、、と答えたので、
自分はナースから嫌われていると感じた。
12歳の少女にとって、自分が癌であることよりも、この環境に耐えること自体が、
大変な試練であった。寂しさや孤独感が癒される必要があった。


ケース④  45才の男性。33歳の時に、交通事故。脊椎損傷で完全麻痺。

親はテキサス在住なので、親と離れて暮らす。12年間、病院にいる。
ある日、周囲から無料のマッサージを勧められた。
からだは動かすことはできないが、若干感じることができる。
ベッドの上で施術を受ける。感情が出ても、プラクティショナーは、落ち着いてそれを受け止めた。
その後、彼は、継続してマッサージセッションを受けることに。
30分40ドル。 60分60ドル。
料金は、両親が払った。両親は、息子がマッサージを受けていることを聞き、とても喜んだ。
料金を払うことで、両親は、彼へのヒーリングチームに関わることができた。


さて、キャロリン先生は、病院にマッサージ・セラピーを導入するコンサルタントとても活動されています。
最後のクラスは、HMBを、病院での持続可能な形で運営していくビジネスモデルについてのお話でした。

HBMが、持続可能なビジネスとして成立する要素

① トレーニングされた、HBMセラピスト。チームとして働くには最低2名以上は必要。
② どうやってマッサージサービスを提供していくのか?
③ どうやって、そこから持続可能な形での収益をあげていくのか?

成功の鍵は  80/20 ルール  :院内での協力者をつくる。

20%は、私達の意志intentionの力。
80%は、Grace 恩寵。  
院内での理解。実際に働いている看護師たちに、施術を受けてもらい、効果を実感してもらう。そして、院内での理解者や協力者を見出していく。

癌病棟でのマッサージサービスは、HMBの活動に適してる。
不安・痛みや吐き気の軽減に効果が出やすく、投薬を減らすことも可能。
スタッフにも、価値を理解してもらいやすい。

HBMによる、病院が受け取る恩恵とは?

マッサージセラピーによって、患者や家族のアンケートで、満足感が高まるというリサーチがある。(サンフランシスコ周辺のベイエリアでは、病院同士の競争が激しいため、このことが決め手となることがある)

病院日数が長引いたり、再入院になったりすると、支払い率が悪くなるので(アメリカの場合)、病院は結果的に損をする。
病院滞在日数が減ることが、奨励される。早く退院し、再入院を避けることが大切。
病院経営の視点からみても、患者の不安が減ることが、顧客の満足度が高まることにつながる。


病院の管理者との連携にむけて

① 企画書の作成 ―提供する側が、ビジョンを掲げるー
・ポリシー
・手順や方法
・サービスの提供方法
・マッサージの種類
・禁忌や注意点の把握(こういうクライアントにはやらない、こういう人にはこういうアプローチが良いということ等)
・マッサージセラピストが、何をやるべきか、JOB DISCRIPTION を書く。
・予算の提言。
・人件費。(例 時給50ドル 1人の施術者が1日5時間等  一週間25時間の労働)
・支出について
・収益方法 (患者が払う、寄付等  スタンフォード子ども病院では6000ドルの予算を獲得)
こうしたことを、忍耐強く交渉。

ベイエリアでは、約20分のHBMの料金は、30ドルから60ドル。
1時間で1セッション。施術は20分。説明したり、手を洗ったり、チャートを書いたりする。
高度にトレーニングされたマッサージセラピストは、特別なスキルをもつ。
ボランティア活動も良いが、バーンアウトしてしまう可能性が高い。

さて、最後に、私が最も聞きたかったこと。
優秀なセラピストを育成するための教育プログラムについて。
ベイエリアや、エサレン研究所で主流の「気づき」を促す教育スタイルであることに、とても共感を感じました。

HBMの教育プログラムについて

病院でHBMを展開するには、正しくトレーニングされたセラピストを育成することが最も大切なこと。HMBの教育プログラムは、重要。

コースは合計で300時間。
特に、Self discovery が大切。

すべての人に心の傷があり、自分自身で発見していくことが大切。そのことがで、患者に寄り添える。
サポートグループのサークルや、個々人のスーパーバイズ。教員と学生の一対一のセッション等を通じて、こうした感性を養う。
また、実際にクライアントに施術をするのを、教師がオブザーブして、指導していくこともある。
(チャプレンのトレーニングに似ている。責めずに、どのようにしたのかを聴いていく)

生徒同士のサポートグループ。
ケーススタディを持ち込んで、難しかったケースを語り合う。

そして、キャロリン先生は、次のようにものべられました。


 HBMは、すべての人がやれるわけではない。
 みんながみんな、できる仕事ではない。
 習ったけれど、だから、やれるというわけではない。

 それは、Calling 天職、召命が大切。
 常に何か大いなるものに呼ばれてやっているという感覚。


うーん、たぶん、そうなんでしょうね・・・。
資格を得たから、勉強したからってできるものじゃないと確かに思います。
もっともっと、本質的に、自分と、人と向き合える何かが大切なのではないでしょうか。。


キャロリン・ターグ先生の Hospital Based Massage

マッサージやボディワークという枠を超えた、全人的で、心や魂に寄り添う、
とても、美しいワークであるように感じました。

それは、スピリチュアルケアであり、ヒーリングであるともいえます。
心身が傷ついた、病院での患者さん達にとって、本当に必要なケアなのではないでしょうか。

そのことを、アメリカでは病院関係者が理解し、積極的に医療に導入していることに驚くとともに、セラピスト側のリサーチやアピール力、スキルアップや責任能力を得るための努力にも、心から敬意を払いたいと思います。

以上、大変長くなりましたが、報告にかえさせていただきます。
(タッチケア支援センターでは、2015年1月に、キャロリン先生を日本にお招きする予定です)


  文責  NPO法人タッチケア支援センター 代表理事  中川玲子
   このブログの内容についてのお問い合わせは、info@touchcaresupport.com
あるいは、こちらのホームページからどうぞ。
   http://www.touchcaresupport.com/

by touchcaresupport | 2014-07-10 23:49 | 日々の活動
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